酔うのは良いこと?悪いこと?

 一時期、うつ病による気分の落ち込みにより、アルコール依存と言われても仕方ないほどお酒にのめり込んでいたわたし。

 

 最近は、めっきり飲まなくなった。

 

 でも、突然「お酒を飲まなきゃやってられない」となってしまう時がある。

 

 そういう時は、せめて後の自分が報酬を得られるようにと、その時に感じたことや考えとして思い浮かんだことをメモするようにしている。

 それだけでも昔の“酔って、暴れて、ワァー!”よりは成長していると思いたい。

 

 しかし、果たしてこの「お酒を飲んだ時にしか本音を出せない」という強迫観念はなんなのだろうと毎回思う。父親と祖父(私は父方の祖父母とずっと同居生活であった)がそのようなことを言っていたり、なんならそうした性格だったからかもしれない。

 実際、娘のわたしから見て「酔った時の父親の方が接しやすい」と思ってしまったのも本当である。

 

 「酔った時の方が接しやすい」は、大学生になってから私自身も言われてしまった。なんなら家族までそう言っていて、普段のわたしはそれほどに取っ付きにくかったのかと思った。

 しかし酔った時にメモして数年、酔った時の言葉はその時の感情を露わにしただけのものだった。つまり本音ではなく、普段は感情を伝えられない人間がその時だけ攻撃的になる、それだけの現象が起こっていたことに気づいた(と書いている今すらも飲酒中なのが救えないが)。

 

 酔うことに固執するのはつまり、アルコールに依存しているということ。しかし、その裏には「酔っている時の方が好き」などという言葉が背景になっていたりする。もちろん言い訳にするのは忍びないが、せめて、それによって自分がとんでもなく追い詰められてしまった時には、それを批判する権利くらいは許してほしいものだ。

 

 by 酔っ払い